よくテレビ番組等で、車椅子の方が、ゴッドハンドという方の「凄腕」で、その場で歩けるようになったりします。これは、もちろん嬉しい事で、患者様に「夢とやる気」を与える素晴らしい事には違いありません!! ましてや、それを、企画したテレビ番組とすれば、「御の字」です…。
しかし、果たして、その歩けるようになった方の1年後や2年後はどうなったの⁉️ っていう追跡調査的な番組は、ありますでしょうか…?
我々も構造医学のテクニックで、何年も患って困った方が初診で来られて、Pit(外傷性角加速度損傷)という、尻もちの外力で骨盤に問題のある方が、その場で「劇的」に変わる事が良くあります。涙流して、喜ばれる方もこの24年間の臨床の中で多々ありました。
このPitというのは、非荷重(AS系)が、歩くことにより、荷重をかける事により快方に向かっていくのに対し、この骨盤変位は、歩いて荷重をかける度に悪化していくタイプなので、「真に骨盤のメカニズム」を熟知した構造医学の門弟でなければ正直言って難しいところだと思います。
ましてや、最近よくある「ウォーキング教室」のインストラクターレベルの、十把一絡げの「大股で速歩」みたいなのでは、絶対無理な話です。
このPitは、骨盤の重要な仙腸関節の中が、加荷重により、関節の螺子構造の、螺子が締まりすぎて、仙腸関節のその関節面の中の「突起」が微細骨折をしています(もちろんレントゲンではわからないレベル)。だから、整復しても、その時は、非常に楽になりますが、その壊れた関節面の修復には、少なくとも、上手くいって、ほぼ3週間が必要です。それから、それから数ヶ月の歩行による筋力の増加。恥骨の回転運動等が必要です。
さて何が言いたいのか?
その時、痛みなどを取ったという事が「治った事‼️」 では決してない。
ただ、キッカケ作り事にすぎない。という事です。
ただし、その治療家の「治す」のゴール設定をどこに持って行くか⁉️
にもなるのですが…。
自分の商業ベースでいけば、その時、楽になったという、「リピーター」が増えれば良いという事になりますが…。
しかし、この仕事は、モノを売る仕事とは、一線を画します。
昔、師匠に言われた言葉が、私の座右の銘です。
「Pitを整復して結果出して、凄いでしょ‼️って思ってるうちは、まだまだ、ヒヨコ🐣。それよりも、先生方は、もっと、患者様に影響力のある人格になりなさい…。」と。
なかなか、その「人格」とやらは、延々と先のようですが…(笑)。
プロである以上、「技術」は持ってて当たり前‼️ やはり一番、大事なのは…?
本来の「医術」というものは、非常に「地味」な、誰にも受けいられない「黒子」の存在であるべきだと思います。
それでは、私の大好きなロッキーの良い場面を・・・。